こんにちは！
いわつか歯科クリニック副院長の岩塚久です。

「子どもの歯並びが気になるけれど、矯正はいつから始めればいいの？」と悩む保護者の方は多いものです。矯正治療は始める時期によって、方法や目的が大きく変わります。早すぎても遅すぎても不安を感じやすいため、正しいタイミングを知ることが大切です。ここでは、お子様の矯正治療を始める目安や、成長段階ごとの考え方についてわかりやすく解説します。

子どもの矯正治療には「始め時」がある

子どもの矯正治療は、永久歯がすべて生えそろってから行うものと思われがちですが、実際には成長を利用できる時期に始める治療もあります。子どもの顎は成長途中にあるため、その成長をコントロールできる点が大きな特徴です。

歯並びや噛み合わせの状態によっては、早めに対応することで将来の治療負担を軽減できることもあります。

乳歯列期にできること

乳歯だけが生えている時期は、基本的に経過観察となることが多いですが、噛み合わせに大きなズレがある場合や、指しゃぶり・口呼吸などの癖が強い場合には、早めの対応が勧められることがあります。

この時期は、歯を動かすというよりも、顎の成長や口周りの筋肉の使い方を整えることが目的になります。生活習慣の見直しや、簡単な装置を使うケースもあります。

混合歯列期は矯正開始の重要なタイミング

乳歯と永久歯が混在する混合歯列期は、矯正治療を始める大切なタイミングとされています。この時期は、顎の成長を利用しながら、歯が並ぶスペースを整えたり、噛み合わせのズレを改善したりすることが可能です。

出っ歯や受け口、歯が重なりやすい状態などは、この時期に対応することで、将来的に本格的な矯正が不要になる、もしくは治療期間が短くなる場合があります。

永久歯列期に行う矯正治療

永久歯が生えそろった後は、歯そのものを動かして歯並びや噛み合わせを整える治療が中心になります。この時期の矯正は、大人の矯正と似た方法が用いられ、見た目と機能の改善を目指します。

混合歯列期に治療を行っていても、仕上げとして永久歯列期に矯正を行うケースもあります。

早く始めるメリットと注意点

早期に矯正を始めることで、顎の成長をコントロールできる、歯が並ぶスペースを確保しやすいなどのメリットがあります。一方で、治療期間が長くなる可能性がある点や、定期的な通院が必要になる点も考慮する必要があります。

子どもの負担や生活スタイルに合わせて、無理のない計画を立てることが大切です。

矯正を始める目安となるサイン

前歯が大きく出ている、上下の歯が逆に噛み合っている、歯が重なって生えている、口が常に開いているなどのサインが見られる場合は、一度チェックしてもらうことで安心につながります。

まとめ：タイミングを知ることが将来への備えになる

お子様の矯正治療は、成長段階に応じて最適なタイミングがあります。必ずしも早く始めれば良いわけではありませんが、適切な時期に対応することで、将来の選択肢が広がります。

気になる変化に早めに気づき、成長を味方につけた矯正治療を考えることが、健やかな口元への第一歩となります。

監修

いわつか歯科
副院長　岩塚　久