
こんにちは!
いわつか歯科クリニック副院長の岩塚久です。
過蓋咬合とはどんな歯並び?
過蓋咬合(かがいこうごう)とは、上下の歯を噛み合わせたときに上の前歯が下の前歯を大きく覆ってしまう噛み合わせの状態を指します。通常、上下の前歯は2〜3mm程度重なるのが理想ですが、過蓋咬合ではその重なりが深く、下の前歯がほとんど見えないこともあります。一見すると目立たない場合もありますが、噛み合わせのバランスを崩し、さまざまなトラブルを引き起こすリスクがあります。
過蓋咬合を放置すると起こる問題
過蓋咬合をそのままにしておくと、見た目だけでなく健康にも悪影響を及ぼします。
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歯や歯茎へのダメージ:下の前歯が上の歯茎に強く当たり、歯肉の傷や歯の摩耗を引き起こす。
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顎関節への負担:噛み合わせが偏ることで顎関節症の原因になり、顎の痛みや口の開閉のしづらさが生じる。
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虫歯や歯周病のリスク増加:歯並びが乱れて歯磨きが難しくなり、汚れが溜まりやすくなる。
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消化不良や発音への影響:しっかり噛めないことで食べ物が消化しにくくなり、発音が不明瞭になることもある。
これらのリスクは年齢とともに悪化しやすく、早めの対処が重要です。
矯正治療が必要とされる理由
過蓋咬合の根本的な改善には矯正治療が効果的です。見た目の改善はもちろん、歯や顎、全身の健康維持にもつながります。
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噛み合わせの改善:上下のバランスが整い、歯や顎への負担を軽減。
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歯の寿命を延ばす:摩耗や歯肉へのダメージが減り、歯を長持ちさせられる。
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全身の健康に貢献:顎関節症や肩こり、頭痛などの二次的な症状を予防。
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口元の美しさ:笑顔が自然になり、見た目の印象も向上。
矯正治療は時間がかかりますが、長期的に見れば大きなメリットがあります。
矯正治療の方法と特徴
過蓋咬合の矯正にはいくつかの方法があり、症状や年齢に合わせて選択されます。
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ワイヤー矯正:歯を効率的に動かせるため、複雑なケースにも対応可能。
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マウスピース矯正:透明で目立ちにくく、取り外しも可能。軽度〜中度の過蓋咬合に適している。
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補助的な治療:場合によっては歯を削ったり抜歯を行ったりしてスペースを作ることもある。
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小児矯正:成長期に早期治療を行うと、顎の発育を利用して比較的スムーズに改善できる。
自分に合った治療法を選ぶには、矯正専門医での診断が欠かせません。
過蓋咬合に関するよくある質問
Q. 放置すると必ず顎関節症になりますか?
A. 必ずではありませんが、噛み合わせの偏りから顎関節に負担がかかりやすくなります。
Q. 大人になってからでも矯正は可能ですか?
A. はい。成人でも矯正は可能で、多くの方が治療によって改善しています。
Q. 見た目に問題がなければ治療しなくてもいいですか?
A. 見た目に問題がなくても、歯や歯茎の健康に悪影響を与えるため、医師の診断を受けることをおすすめします。
健康な噛み合わせを手に入れるために
過蓋咬合は放置してしまうと、歯や顎、全身にさまざまなリスクを及ぼします。矯正治療によって改善することで、見た目だけでなく機能面や健康面でも大きなメリットが得られます。気になる症状がある場合は、早めに専門医に相談し、将来のために健康な噛み合わせを整えていきましょう。
執筆
いわつか歯科
副院長 岩塚 久