なぜ歯と歯の間に虫歯ができやすい?見えない場所で進む“隠れ虫歯”の正体|いわつか歯科クリニック|名古屋市中村区の歯医者

〒453-0861

名古屋市中村区岩塚本通り4-37

駐車場22台あり

トピックス Topics

なぜ歯と歯の間に虫歯ができやすい?見えない場所で進む“隠れ虫歯”の正体





こんにちは!
いわつか歯科クリニック副院長の岩塚久です。

「歯と歯の間に黒い影がある」「痛みが出た時には大きな虫歯になっていた」
このような経験はありませんか?

歯と歯の間にできる虫歯は、隣接面(りんせつめん)う蝕と呼ばれ、発見が遅れやすい虫歯の代表です。
一見きれいに見えても、内部で静かに進行していることが多く、「気づいたら神経近くまで進んでいた」というケースも少なくありません。

今回は、歯と歯の間に虫歯ができやすい理由と、予防のために知っておきたいケア方法を紹介します。


1. なぜ歯と歯の間は虫歯になりやすいの?

■ 食べかすやプラークが残りやすい

歯と歯の間のすき間は非常に狭く、歯ブラシの毛先が届きにくい部分です。
そのため、食べかすや**プラーク(歯垢)**が溜まりやすく、虫歯菌が糖を分解して酸を作り、歯を溶かしていきます。

■ 唾液が届きにくい

唾液には、酸を中和して虫歯を防ぐ「再石灰化作用」があります。
しかし歯の間は唾液の循環が悪く、酸がとどまりやすいため、歯が溶けやすくなります。

■ 初期の虫歯が見つけにくい

歯の表面にできる虫歯と違い、隣接面の虫歯は外から見えにくく、痛みも出にくいのが特徴です。
気づいた時には、すでに歯の内部で広がっていることが多いのです。


2. 歯と歯の間の虫歯が進行しやすい理由

■ 虫歯菌が密閉空間で活動しやすい

歯と歯の間は空気が届かず、湿った環境が保たれるため、細菌が繁殖しやすい条件がそろっています。
特に夜間は唾液の分泌が減るため、寝ている間に虫歯が進行することもあります。

■ 痛みを感じるまで時間がかかる

歯の表面のエナメル質は硬いため、初期段階では痛みを感じません。
しかし内部の象牙質に達すると一気に進行が早まり、しみる・痛むといった症状が出始めます。

■ 隣の歯にも広がるリスク

一方の歯の間にできた虫歯は、放置すると隣の歯にも感染し、2本同時に虫歯になることがあります。
「1本だけの虫歯」と思っていても、実は隣の歯まで進んでいるケースは珍しくありません。


3. 歯と歯の間の虫歯を防ぐためのポイント

① デンタルフロス・歯間ブラシを毎日使う

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れの約40%は取り除けません。
フロス(糸ようじ)や歯間ブラシを使うことで、プラークをしっかり除去できます。

  • デンタルフロス:歯と歯が密着している部分に最適

  • 歯間ブラシ:歯と歯のすき間が広い部分に向いている

お風呂上がりや寝る前など、リラックスタイムに取り入れると習慣化しやすいです。

② 糖分を控え、間食を減らす

虫歯菌は糖分をエサにして酸を作ります。
甘いお菓子やジュースをダラダラ摂ると、口の中が酸性状態のままになり、歯が溶けやすくなります。
おやつは時間を決めて摂るようにしましょう。

③ フッ素で歯を強くする

フッ素入りの歯磨き剤を使うことで、歯の再石灰化を助け、酸に強い歯質を作ります。
特に歯の間にしみこみやすいジェルタイプや洗口剤も効果的です。

④ 定期検診で早期発見

隣接面の虫歯は、レントゲン検査をしないと見つけにくい場合があります。
定期的に歯科検診を受けることで、初期の段階で治療でき、削る範囲を最小限に抑えることができます。


4. 虫歯を防ぐ生活習慣を続けよう

毎日の小さなケアの積み重ねが、将来の歯の健康を守ります。

  • フロスを習慣にする

  • 水をこまめに飲む(口の中をうるおす)

  • 寝る前の歯磨きを丁寧にする

これだけでも、歯と歯の間の虫歯リスクを大幅に減らすことができます。


まとめ:見えない場所こそ、丁寧なケアを

歯と歯の間の虫歯は、見つけにくく、進行も早い“隠れた虫歯”です。
痛みが出る前に予防することが何より大切。

今日からできるケアを取り入れて、見えない部分まで健康な歯を守りましょう。
「しっかり磨けているつもり」を卒業し、“本当に汚れが落ちる習慣”を身につけることが、虫歯予防への第一歩です。



執筆

いわつか歯科
副院長 岩塚 久