抜歯後の体調変化が気になる方へ
抜歯後に熱が出たらどうする?
原因・自宅での対処法・受診の判断ポイント
歯を抜いたあとに発熱すると、治療の影響なのか、何か問題が起きているのか不安になるものです。抜歯後は体に負担がかかることもありますが、発熱の程度や続く期間、ほかの症状によっては診察が必要です。落ち着いて状態を確認し、適切に対応しましょう。
CARE
CONTENTS
この記事でわかること
まず確認したい緊急性の高い症状
発熱に加えて、顔や首の腫れが急速に広がる、息苦しい、飲み込みにくい、唾液を飲み込めないといった症状がある場合は、重い感染症などの可能性があります。すぐに救急医療機関へ相談し、呼吸に支障がある場合は救急車を呼んでください。
POSSIBLE CAUSES
抜歯後に発熱する主な原因
抜歯後に熱が出る原因は一つではありません。抜歯による体への負担や炎症反応によって一時的に体温が上がることもあれば、細菌感染などが関係している場合もあります。熱の高さだけで判断せず、痛みや腫れなどの変化もあわせて確認しましょう。
抜歯による一時的な炎症反応
歯を抜く処置では、歯ぐきや周囲の組織に一定の刺激が加わります。そのため、処置後に痛みや腫れが生じ、体温が一時的に上がることがあります。
ただし、発熱が必ず起こるわけではありません。熱が高い場合や、時間がたつにつれて症状が強くなる場合は、抜歯後の通常の経過と決めつけず、歯科医院に相談してください。
抜歯した部分に感染が起きている
抜歯した傷口や周囲の組織に細菌感染が起きると、発熱や強い痛み、腫れ、膿などが現れることがあります。特に、いったん落ち着いた痛みや腫れが再び強くなった場合は注意が必要です。
感染が疑われる場合は、診察によって原因を確認し、必要に応じて洗浄や薬による治療などを行います。自分で傷口を触ったり、手元にある抗菌薬を自己判断で服用したりすることは避けましょう。
親知らずなど、難しい抜歯による影響
埋まっている親知らずや、歯ぐきや骨を処置する必要がある抜歯では、一般的な抜歯よりも組織への負担が大きくなることがあります。その結果、術後の腫れや痛みが強く出る場合があります。
ただし、難しい抜歯であっても、発熱が強い場合や悪化する場合まで正常な経過とは限りません。術後に受けた説明を確認し、気になる症状があれば処置を受けた歯科医院へ連絡しましょう。
抜歯とは別の感染症や体調不良
発熱の原因が、必ずしも抜歯した部分にあるとは限りません。風邪などの感染症や、ほかの体調不良によって熱が出ることもあります。
咳や喉の痛みなど、口の中以外の症状がある場合は、その情報も医療機関に伝えましょう。抜歯部位の痛みや腫れを伴う場合は、歯科医院にも相談することが大切です。
覚えておきたいこと
発熱の原因は、体温だけでは判断できません。熱の程度、続いている時間、痛みや腫れの変化、全身の症状をあわせて確認することが重要です。
RECOVERY TIMELINE
抜歯後の発熱はいつまで続く?
抜歯後は、傷口の治癒に伴って痛みや腫れが出ることがあります。軽い体温上昇が一時的にみられる場合もありますが、発熱の経過には個人差があり、何日までなら問題ないと一律にはいえません。
抜歯当日から翌日にかけて
抜歯直後は、麻酔が切れるにつれて痛みが出たり、傷口の周囲が腫れたりすることがあります。体温が少し高くなることもありますが、発熱が強い場合や全身の具合が悪い場合は、早めに歯科医院へ相談してください。
抜歯後2〜3日ごろ
抜歯後の腫れは、当日よりも翌日から2〜3日ごろに目立つことがあります。その後、徐々に落ち着いていくのが一つの目安です。
一方で、発熱が続く、痛みが強くなる、腫れが広がるなどの変化がある場合は、感染などの問題が起きている可能性があります。日数だけで様子を見続けず、歯科医院に連絡しましょう。
数日たっても熱が下がらない場合
数日たっても発熱が続く場合や、一度下がった熱が再び上がる場合は、抜歯した部分の感染などを確認する必要があります。処置を受けた歯科医院へ連絡し、受診の必要性を確認してください。
発熱に加えて痛みや腫れが悪化した場合
熱とともに痛みや腫れが強くなる、膿が出る、口が開きにくくなるなどの症状がある場合は、早めの診察が必要です。特に、顔や首の腫れが急速に広がる場合や、呼吸・飲み込みに異常がある場合は、緊急の対応が必要です。
抜歯当日〜翌日
痛みや腫れが出ることがある。発熱が強い場合は歯科医院へ相談。
抜歯後2〜3日ごろ
腫れが目立つこともある。症状が悪化する場合は受診を検討。
数日後も発熱が続く場合
感染などの可能性を確認するため、処置を受けた歯科医院に連絡。
※上記は一般的な経過の目安です。抜歯の難易度や全身状態によって異なるため、歯科医師から受けた指示を優先してください。
HOME CARE
発熱したときの自宅での対処法
抜歯後に発熱した場合は、体を休めながら症状を確認しましょう。ただし、自宅でのケアはあくまで一時的な対応です。強い発熱や感染を疑う症状があるときは、セルフケアだけで済ませず、医療機関に相談してください。
体温と症状の変化を確認する
体温を測り、熱が出始めた時間、痛みの強さ、腫れの有無などを記録しましょう。体温だけでなく、飲み込みにくさや口の開けにくさなどがないかも確認してください。症状が悪化している場合は、記録を待たずに受診の相談をしましょう。
無理をせず、十分に休息をとる
発熱しているときは、できるだけ安静に過ごしましょう。激しい運動や長時間の入浴など、体に負担がかかる行動は避けてください。仕事や家事も無理をせず、体調の回復を優先しましょう。
水分をこまめに補給する
発熱時は脱水を防ぐため、少量ずつ水分を摂りましょう。抜歯直後は、傷口を傷つけないように注意し、強く吸い込む飲み方は避けてください。飲み込みにくい、十分に水分を摂れないなどの場合は、医療機関へ相談しましょう。
食べやすい食事を選ぶ
食事ができる状態であれば、柔らかく、刺激の少ないものを選びましょう。熱すぎる食べ物や飲み物、硬い食べ物は避け、抜歯した部分を強く噛まないようにします。食べられないほど具合が悪い場合は、無理をしないでください。
処方された薬を指示どおりに使う
抜歯後に薬を処方されている場合は、医師や歯科医師の指示に従って服用してください。痛み止めを使用する場合も、用法・用量を守り、自己判断で量を増やさないことが大切です。
発熱があるからといって、残っている抗菌薬を自己判断で服用することは避けましょう。薬の使い方に迷った場合は、処方元や薬剤師に確認してください。
処置を受けた歯科医院に連絡する
発熱が続く場合や、痛み・腫れが強くなっている場合は、抜歯を行った歯科医院へ連絡しましょう。診療時間外であっても、症状が強い場合は地域の救急医療機関や相談窓口の利用を検討してください。
自宅でのケアは無理のない範囲で
安静、水分補給、処方薬の適切な使用を心がけながら、症状の変化を確認しましょう。発熱の原因を自分で判断せず、必要に応じて医療機関を受診することが重要です。
WHEN TO SEEK CARE
歯科医院を受診するべき症状
抜歯後の発熱は、症状の程度や一緒に現れている変化によって対応が異なります。熱が出たからといって必ずしも重い問題が起きているとは限りませんが、次のような症状がある場合は、早めに相談することが大切です。
呼吸や飲み込みに異常がある
息苦しい、唾液を飲み込めない、首や口の底の腫れが急速に広がるなどの症状がある場合は、感染が広がっている可能性があります。すぐに救急医療機関へ連絡し、呼吸に支障がある場合は救急車を呼んでください。
高い熱や強い腫れ、痛みがある
高熱が出ている、頬や歯ぐきの腫れが強い、痛みが急に悪化した、膿が出るなどの場合は、処置を受けた歯科医院に速やかに連絡してください。診療時間外の場合は、症状に応じて救急医療機関への相談も検討しましょう。
発熱が続く、いったん下がった熱が再び上がる
発熱が続く場合や、痛み・腫れが改善せずに長引く場合は、抜歯後の経過を確認してもらいましょう。いったん症状が落ち着いたあとに再び悪化する場合も、早めの診察が必要です。
受診時に伝えるとよい情報
歯科医院へ連絡する際は、次の情報を整理しておくと、症状を伝えやすくなります。
- 抜歯を受けた日と歯の場所
- 発熱が始まった時間と体温の変化
- 痛みや腫れが強くなっているか
- 膿、口の開けにくさ、飲み込みにくさの有無
- 服用している薬や持病、薬のアレルギー
受診するか迷う場合も、まずは処置を受けた歯科医院へ電話で相談しましょう。診療時間外で症状が強い場合は、翌日まで待たずに救急医療機関へ相談してください。
IMPORTANT PRECAUTIONS
抜歯後に避けたい行動と注意点
抜歯した部分では、傷口を保護する血の塊が治癒に重要な役割を果たします。傷口を強く刺激すると、出血や治癒の遅れにつながることがあるため、抜歯後は過ごし方にも注意が必要です。
強いうがいや傷口を触る行為を避ける
抜歯直後に何度も強くうがいをしたり、舌や指で傷口を触ったりすると、血の塊が取れて治癒に影響することがあります。歯科医師から説明された方法に従い、口の中をやさしく清潔に保ちましょう。
激しい運動や飲酒を控える
抜歯後すぐの激しい運動や飲酒は、血流の変化によって出血や腫れを悪化させる可能性があります。体調が回復するまでは無理をせず、再開するタイミングは受けた処置や歯科医師の指示に従いましょう。
喫煙を避ける
喫煙は血流や傷の治癒に悪影響を及ぼす可能性があります。また、喫煙や吸い込む動作は、抜歯した部分の血の塊が失われるリスクにも関係します。少なくとも術後は喫煙を避け、再開時期については歯科医師に確認してください。
熱い食べ物や硬い食べ物に注意する
傷口が落ち着くまでは、極端に熱いものや硬いもの、刺激の強い食べ物は避けましょう。麻酔が残っている場合は、頬や舌を誤って噛んだり、熱いものでやけどをしたりしないように注意してください。
処方薬を自己判断で中断・変更しない
処方された薬は、指示された用法・用量に従って使用しましょう。発熱や痛みがあるからといって、薬を増やしたり、別の薬と併用したりすることは避けてください。薬による発疹や息苦しさなど、アレルギーが疑われる症状が現れた場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
傷口を強く触らない
激しい運動を控える
飲酒や喫煙を避ける
薬の使用方法を守る
FREQUENTLY ASKED QUESTIONS
抜歯後の発熱に関するよくある質問
Q. 抜歯後に微熱が出るのは普通ですか?
抜歯後は体への負担や炎症反応によって、一時的に体温が上がることがあります。ただし、すべての発熱が通常の経過とは限りません。熱が続く場合や痛み・腫れが強くなる場合は、歯科医院へ相談してください。
Q. 抜歯後に38度以上の熱が出たらどうすればよいですか?
高い熱が出た場合は、抜歯した歯科医院へ速やかに連絡し、受診の必要性を確認してください。強い腫れや痛み、全身状態の悪化がある場合は、早急な診察が必要です。呼吸や飲み込みに支障がある場合は救急対応を受けてください。
Q. 抜歯後の発熱は何日で治まりますか?
発熱の原因や抜歯の難易度、体調によって異なるため、一律に何日で治まるとはいえません。熱が続く、いったん下がってから再び上がる、痛みや腫れが悪化する場合は、早めに歯科医院へ相談しましょう。
Q. 抜歯後に熱があるとき、お風呂に入ってもよいですか?
発熱しているときは、体への負担を減らすため、長時間の入浴や熱い湯船につかることは避け、安静を優先しましょう。体調が悪い場合は無理をせず、入浴について迷うときは歯科医師や医療機関に相談してください。
Q. 抜歯後に熱が出たら、痛み止めを飲んでもよいですか?
処方された痛み止めがある場合は、指示された用法・用量を守って使用してください。市販薬を追加する場合は、成分の重複や持病、ほかの薬との相互作用に注意が必要です。迷った場合は薬剤師や歯科医師に確認しましょう。
Q. 抜歯した部分が腫れて熱もある場合は感染していますか?
腫れや発熱だけで感染と断定することはできませんが、感染が原因となっている可能性はあります。特に、腫れが広がる、痛みが悪化する、膿が出る場合は、早めに歯科医院で診察を受けましょう。
SUMMARY
症状を正しく確認して抜歯後の回復をサポートしよう
抜歯後の発熱は、処置による一時的な炎症反応のこともあれば、感染などの問題が関係している場合もあります。体温だけで判断せず、痛みや腫れ、全身の症状をあわせて確認することが大切です。
発熱の程度や、痛み・腫れの変化を確認する
安静と水分補給を心がけ、処方薬は指示どおりに使う
発熱が続く場合や症状が悪化する場合は歯科医院へ相談する
呼吸や飲み込みに異常がある場合は救急対応を受ける
不安な症状がある場合は、自己判断で我慢せず、抜歯を受けた歯科医院へ相談しましょう。いわつか歯科の公式サイトで診療情報をご確認いただき、必要な診察につなげてください。
いわつか歯科の公式サイトはこちら →※本記事は一般的な歯科情報を提供するものであり、個々の症状に対する診断や治療の代わりになるものではありません。抜歯後の発熱や痛み、腫れが気になる場合は歯科医師に相談してください。呼吸や飲み込みに支障がある場合は、速やかに救急医療機関へ相談してください。
